タロットを独学で始めたいあなたへ
「タロットカードを買ってみたものの、何から手をつければいいか分からない」──そんな声を、15年の鑑定の中で何度もいただいてきました。
私・雅 椿(みやび つばき)は、タロット占い師として対面・電話・チャットで20,000件以上の鑑定を重ねてきました。最初に伝えたいのは、タロットは「未来を当てる道具」ではなく、自分の心の声に気づくための扉だということ。正解はカードの中ではなく、あなた自身の中にあります。
この記事では、初心者の方がタロットを独学で始めるためのロードマップを、デッキ選びから日々の練習法まで順を追ってお伝えします。
Step 1:最初の1組を選ぶ──デッキ選びのポイント
ライダー・ウェイト版がおすすめな理由
初心者の方にまずおすすめしたいのは「ライダー・ウェイト版(RWS)」と呼ばれるタロットデッキです。1909年にアーサー・エドワード・ウェイトの監修で誕生したこのデッキは、78枚すべてに物語的な絵柄が描かれており、直感的にカードの意味を感じ取りやすいのが特徴です。
マルセイユ版など他の伝統的なデッキは小アルカナが数字と記号のみで描かれているため、初学者には読み解きのハードルが高くなりがちです。
デッキ選びで大切にしてほしい3つの視点
- 絵柄に惹かれるかどうか:毎日手に取るものだからこそ、眺めて心地よいと感じるデッキを選びましょう
- カードサイズの確認:手の大きさに合わないとシャッフルしづらく、練習が億劫になります
- 日本語解説書の有無:最初の一歩では解説書があると安心です。慣れたら英語文献にも挑戦してみてください
Step 2:カードを迎えたら──はじめの浄化と挨拶
新しいデッキが届いたら、まずは全78枚をゆっくり1枚ずつ眺めてみてください。これは「カードとの挨拶」のようなもの。私自身、朝の瞑想のあとに静かな気持ちで新しいデッキに触れるのが習慣です。
初心者向けの浄化方法
- ノッキング:デッキの束を3回軽くノックして、カードをリフレッシュする方法。道具が要らず手軽です
- 番号順に並べ直す:愚者(0番)から世界(21番)、そしてエースからキングまで順に並べ、カードを初期状態に戻します
- お香やセージの煙にくぐらせる:香道を嗜む私にとって、香りを通じてカードを整えるこの方法はとても馴染み深いものです
浄化に正解はありません。あなたが「すっきりした」と感じられる方法を選んでみてください。
Step 3:1枚引き(ワンオラクル)で毎日練習する
独学でタロットの力を伸ばすもっとも確実な方法は、毎日1枚引きを続けることです。
ワンオラクルの手順
- 静かな場所でカードを手に取り、深呼吸を2〜3回
- 「今日、私が意識するとよいことは?」のようにシンプルな問いを心に浮かべる
- カードを十分にシャッフルし、1枚引く
- 絵柄をじっくり眺め、感じたことをメモする
- 夜、その日の出来事と見比べて振り返る
練習で大切な3つの心がけ
- 引き直さない:思いがけないカードが出ても、それが今日のメッセージです。駆け出しの頃の私は「自分の望む答え」が出るまで引き直していた時期がありました。けれど師匠に「最初の1枚に敬意を払いなさい」と諭されてから、占いの景色が変わりました
- 意味を丸暗記しない:カードの絵柄をよく観察して、自分が感じたことを言葉にする練習から始めましょう。正解はあなたの中にあります
- タロット日記をつける:日付・引いたカード・感じたこと・夜の振り返りを4行でメモ。1か月続けると、カードとの対話が自然に深まっていきます
Step 4:慣れてきたら3枚引き(スリーカードスプレッド)へ
ワンオラクルに慣れたら、次は3枚引きに挑戦してみましょう。左から「過去」「現在」「未来」、あるいは「状況」「障害」「アドバイス」と位置づけるのが一般的です。
3枚のカードの間にある「物語」を読む練習をすると、リーディング力が大きく伸びます。絵柄の中の人物の視線の向き、色の変化などに注目してみてください。
Step 5:独学を続けるためのロードマップ
| 時期の目安 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 毎日ワンオラクル | 絵柄を観察し、感じたことをメモ |
| 3〜4週目 | 大アルカナ22枚で練習 | キーワードを自分の言葉でまとめる |
| 2か月目 | 3枚引きに挑戦 | カード同士の物語を読む練習 |
| 3か月目〜 | フルデッキ78枚を使う | 小アルカナも加え、日常の問いで実践 |
焦る必要はありません。タロットは気づきの扉として、あなたのペースで少しずつ開いていくものです。
よくある質問(FAQ)
Q1. タロットカードは自分で買ってはいけないと聞いたのですが?
「人からもらうべき」という言い伝えがありますが、現代のタロット実践者の多くは自分で選んで購入しています。大切なのは、自分がそのデッキに惹かれるかどうか。ピンときたカードを自分で選ぶことも、主体的な一歩です。
Q2. 逆位置は最初から取り入れるべきですか?
慣れるまでは正位置のみで練習するのがおすすめです。カード1枚1枚の基本的なメッセージをしっかり感じ取れるようになってから、逆位置を加えると混乱しにくいでしょう。
Q3. 毎日同じカードばかり出るのですが大丈夫ですか?
鑑定の現場でもよくある現象です。私はそんなとき、カードを擬人化して「このカード、まだお話ししたいことがあるみたいですよ」と伝えています。繰り返し出るカードは、今あなたにとって大切なテーマを示していると感じてみてください。
Q4. 自分を占うと当たらないと言われるのはなぜですか?
自分への鑑定では、無意識に「こうあってほしい」というバイアスがかかりやすいと言われています。だからこそ、カードの絵柄から素直に感じたことをメモする習慣が大切です。先入観を脇に置いて、カードの声に耳を傾けてみてください。
Q5. 独学の限界を感じたらどうすればいいですか?
書籍やオンライン講座で体系的に学び直すのもよい方法です。また、SNSやコミュニティで他の学習者と読み比べをすると、自分にはなかった視点に出会えることがあります。私自身、駆け出しの頃に師匠から「断定は占い師の傲慢」と教わったことで鑑定の姿勢が大きく変わりました。一人で抱え込まず、対話の中で学びを深めていくのもタロットらしい学び方です。
参考文献・出典
- アーサー・エドワード・ウェイト著『The Pictorial Key to the Tarot』(1911年)──ライダー・ウェイト版タロットの設計思想を記した原典
- レイチェル・ポラック著『Seventy-Eight Degrees of Wisdom』──タロットの象徴体系を初心者にも分かりやすく解説した定番書
- 鏡リュウジ著『タロットの秘密』(講談社現代新書)──日本語で読める信頼性の高いタロット入門書として広く親しまれている
- 日本占い師協会「タロット初心者必見!カードの選び方や占い方法」──デッキ選びと占い方の基礎をまとめた実践的ガイド






